調理油のいろいろ　vol.1

「コレステロールを下げる油」などのキャッチフレーズで消費者のココロをグッとつかんだ商品が出回っています。“普通の油との違いは？”“それってホント？”“カロリーも低いの？”などちょっとした疑問にお応えします！
まず、コレステロールは人の体内で生成できます。過剰にコレステロールを食べてしまった場合、生成量を体でコントロールしています。しかし脂肪過多の食生活を続けていると、コントロールがききにくい体になってしまうとも言われています。
コレステロールの体内吸収をおさえる油の成分は植物ステロールです。これはコレステロールと形が似ているので、体に吸収されるミセル（コレステロールを体内に運ぶ車）に競い合って入ろうとしますが、競争に負けてしまったコレステロールは体外に排泄されるので、その結果コレステロールの吸収が少なくなりコレステロールが低くなる仕組みです。しかし、この油を使っても揚げ物や炒め物の料理や肉中心で外食が多い食生活を送っていれば効果は薄れてしまうでしょう。
通常の油に比べて高価であることもデメリットです。さらにカロリーはほぼ同じなので、多用すると肥満のもと。煮る・蒸すなどの料理のレパートリーを増やし、肉ばかりでなく魚を取り入れた食生活を心がけることが、コレステロールをコントロールできる体作りの第一歩。酒の肴（するめ・イカの塩辛・魚卵など）にも注意しましょう。