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腸活と血糖コントロール

腸活という言葉が広まって、定着してきましたね。
今回は、糖尿病患者さん向けに、腸内環境を改善しながら、血糖コントロールできる食べ方についてお伝えします。

Ⅰ.腸内環境を改善するメリットを知ろう
食べ物を消化・吸収する役割がある「腸」。最近ではそれ以外にも、腸がもたらす体へのさまざまな働きが分かってきています。

①必要な栄養分を吸収できる➡疲れにくい体になる
②便通が改善する➡毎日スッキリ
③老廃物の排泄促進➡大腸がんのリスク低下・お肌の調子を整える
生活習慣の乱れから起こりやすい便秘の改善が期待できます。また、下痢などの症状緩和にもつながります。さらに、腸内の老廃物をスッキリ排泄できるようになると、お腹の張りやガスがたまることによる苦しさも改善できます。
④インスリン抵抗性の改善➡血糖コントロール改善
悪玉菌が増えてくると、腸内細菌が、体内や血液中に入り込み、インスリン抵抗性を助長すると言われています。
⑤腸を整える代表”水溶性食物繊維”は腸内善玉菌を増やし、腸内環境を整えるだけでなく、糖の吸収を抑える➡食後高血糖を改善
それぞれに働きがあり、どちらも大切ですが、特に「水溶性食物繊維」には食べた糖を腸管で吸収するスピードを緩やかにしてくれる働きがあります。 つまり、食後、急激に糖が吸収されず穏やかに吸収が進むので、食後高血糖を改善してくれます。それだけでなく、腸内のコレステロールを吸着して排泄させる作用もある。
⑥腸管は最大の免疫器官➡免疫力アップ
腸管は最大の免役器官と言われます。なぜなら、人間の免疫細胞の70%は腸管内に存在するからです。つまり、腸を健やかに調整することが免疫力アップへの近道です。免疫力が上がると、アレルギー反応を抑えることにもなり、花粉症の症状などの改善が期待できます。
⑦腸と脳の関係(脳腸相関)➡腸は第2の脳!密接に影響を及ぼしあっている
最近の研究により「腸」と「脳」の情報や指令はお互いに行き来していて、自律神経やホルモンの調整にも関与することがわかってきました。これを「脳腸相関」と言います。腸内環境を整えることで、避けられない日常のストレスに強い体や脳へと変えていくことができると言われています。

Ⅱ.腸内環境を整える機能成分の血糖値への影響
腸内環境を整えるために有効な機能成分にはさまざまなものがあります。

①善玉菌を腸に届ける食品(乳酸菌・ビフィズス菌・麹菌・酵母菌)
ヨーグルト・乳酸菌飲料・納豆・塩麹・甘酒・漬物など発酵食品
注意:発酵食品の中には糖分や塩分が多い物もあるので、すべてが糖尿病患者さんに適しているとは言えない。


②善玉菌のエサとなって善玉菌を育てる食品
<オリゴ糖>
玉ねぎ、キャベツ、じゃがいも、にんにく、とうもろこし、アスパラガス、ごぼう、豆類、はちみつ、もも、バナナ
注意:糖質の多い物もあるので、すべてが糖尿病患者さんに向いているとは限らない。

オリゴ糖甘味料には一部消化性(イソマルオリゴ糖)と難消化性(ラクトオリゴ糖など)があります。血糖コントロールのためには、難消化性を選びましょう。
※オリゴ糖甘味料の適量
飲み物や料理の甘味として1日にティースプーンに2~5杯程度(8~20g)

<水溶性食物繊維>
・腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を改善する
・腸内のコレステロールを吸着し、便中に排泄させる
・粘着性により胃腸をゆっくり移動するため、おなかが空きにくく食べすぎを防ぐ。
・糖質の吸収をゆるやかにして食後血糖値の急激な上昇を抑える
●おすすめ食材
▶ ネバネバ・ヌルヌル系:オクラ、里芋、山芋、明日葉、モロヘイヤ、海藻類、なめこ、ツルムラサキ、葱、玉葱
▶その他:りんご、みかん、牛蒡、菜花、パプリカなど

③ほどよい刺激で腸を動かす食品
<不溶性食物繊維>
胃や腸で水分を吸収して大きく膨らみ腸を刺激し、蠕動運動を活発にし、便通を促す。
注意:水分が不足していると、便秘の原因にも。
●おすすめ食材
▶野菜・きのこ・こんにゃく・豆・干し野菜(切り干し大根)
▶主食に全粒穀物を混ぜると効果アップ
例)雑穀米・発芽玄米・全粒粉パン・ライ麦パン

お菓子や調味料、漬物などの加工食品はパッケージの原材料表示や成分表示を確認し、腸活に力を発揮するもの、血糖値に影響を及ぼしてしまうものを見極めましょう。糖分や塩分は1日の食事の範囲内におさまるように摂取量を注意した上で、腸内環境を整えていきましょう。
腸

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